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医薬品ピッキングの仕事とは?仕事の特徴、向いている人、将来性まで徹底解説

この記事では、医療現場や薬局で必要とされる正確な薬を迅速に供給するための重要な役割である、医薬品ピッキングの仕事について解説します。

医薬品ピッキングとは、注文に応じて倉庫や保管場所から正しい医薬品を選び出し、準備する作業のことです。

この仕事は、薬を必要としている患者に「必要な時」、「必要な量」、「正しい薬」が薬局や医療現場に届けられる状態を維持するために非常に重要な、社会貢献性の高い仕事となります。その上、未経験でも幅広い方が挑戦できる仕事でもあります。

この記事を通じて、この仕事の流れ、魅力、難しい部分などについて分かりやすく解説していきます。

 

ピッキングの仕事の概要説明

 

ピッキング作業は、倉庫や工場などの保管場所において、注文リストや指示書(ピッキングリストと言う)に従って必要な商品や製品を取り集めて仕分けや出荷準備を行う作業です​​。

一般的なピッキングの仕事内容や、商品ごとのピッキング作業の特徴についてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

ピッキングとは?仕事内容、特徴、向いている人、給与相場を解説

ピッキングの仕事はきつい?商品ごとの作業の特徴、向いていない人を解説

 

 

医薬品のピッキングとは?

医薬品ピッキングは特に、患者の健康に直結する業務であるため、高い正確性と責任感が求められます。

また医薬品は、天地無用、割れ物、冷蔵管理が必要なもの、危険物に相当するもの等、デリケートな扱いが求められるものも多くあります。

また、ほとんどの商品は比較的小型で軽量にあるため、体への負担は少ないと言えます​​​​。

医薬品を扱う場所(医薬品倉庫や病院、調剤薬局)は空調管理され、現場も清潔なので気持ち良く働けます

 

医薬品のピッキング作業は、医薬品物流センター、病院内の物流(院内物流:SPD[Supply Processing and Distribution])、調剤薬局内と3種類あります。

 

1.医薬品物流センターのピッキング

医薬品物流センター

●特徴

・医薬品卸会社(商社)が持つ物流センター等が現場となる。

・大量の医薬品を取り扱い、広範囲のエリアに配送を行う。

・院内物流や調剤薬局に比べて規模が大きく、自動化されたシステムと機器を使用し、誤出庫、誤配送を防ぐようにしている。

●作業手順

1.注文リストの受領。

2.データベースを用いて医薬品の位置を特定。

3.指定された医薬品を棚から選び出す。

4.バーコードスキャナーやRFIDタグでアイテムをスキャンして確認。

5.医薬品を包装し、配送エリアへ移動。

●使用される機器、システム、技術

・バーコードスキャナー、RFIDタグでの精密なトラッキング。

・データベースと連動した自動化された棚管理システム。

・SPDや調剤薬局に比べ、大規模な自動化と高度な技術を使用。

 

2.院内物流(SPD)のピッキング

病院内

●特徴

・数百床規模の病院や、小規模でも効率化・高いレベルで品質管理に取り組む病院が現場となる。

・病院内の医療現場で発生する需要に迅速に対応する。

・物流センターと比べ、病院内の狭い範囲で行われる。

●作業手順

1.医療スタッフ(医者、看護師、医療技師など)から、患者の治療やケアに必要な医薬品や材料のリクエストを受ける。

2.必要な医薬品や材料を保管場所から取り出す。

3.バーコードスキャナーや電子データベースでアイテムを確認。

4.配送エリアへ搬送。

使用される機器、システム、技術

・バーコードスキャナーや電子データベース。

・病院内での廊下やエレベーターでの移動に適した小型の専用カートや、自動化された搬送システムやロボットを使用。

 

3.調剤薬局のピッキング

 調剤薬局

●特徴

・個別の処方箋に基づく作業。

・個別の患者に特化した少量の医薬品を扱う。

●作業手順

1.処方箋の受領。

2.処方箋に基づいて必要な医薬品を棚から選び出す。

3.薬剤師が医薬品の種類と量を確認。

4.医薬品の包装および患者への渡し準備。

●使用される機器、システム、技術

・電子処方箋システムや薬剤管理システム。

・タブレット、ハンディターミナル、小型のバーコードスキャナー

 

 

医薬品ピッキングが向いている人とは?

Check

以下に、この作業が向いている人の能力、資質を挙げます。

 

1. 細かな内容への注意

正確な医薬品の選択には細かな記載への注意が必要。

 

2. 立ち仕事への対応

重量物はあまりありませんが、立ち仕事になるためそれができる体力は必要。

 

3. 高い集中力

正確な作業が求められるため、長時間の作業にも集中力を維持できること。

 

4. 責任感

医薬品の取り扱いに伴う責任を理解し、それに応えられること。

 

5. 学習意欲

新しい医薬品知識やシステム・機器利用方法、効果的な作業手順を学び続ける意欲。

 

 

医薬品ピッキングは未経験でもできる?

未経験OK

未経験から医薬品ピッキングの仕事に挑戦する際、以下の点を押さえておくとスムーズに仕事を覚えていくのに役立ちます。

 

1. 細かい記載の注意

医薬品の正確な識別と数量の確認には、細かな記載内容に慣れることが必要です。

 

2. 責任感

作業のミスは、患者の健康に直結するという責任感を持つことが必要です。

 

3. 立ち仕事への慣れ

経験がない人だと、最初は足腰が疲れます。ストレッチをする、お風呂に入るなど体のメンテナンスに力を入れながら、慣れるようにしていきます。

 

4. 長時間の集中力

繰り返しの作業を行うため、それに対して持続的に集中力を維持することが必要です。

 

5. 現場の先輩スタッフとの関係構築

何かあると親切に教えてくれる人もいますが、中には経験は長いのに、人に教えることやサポートをすることが下手で当りがキツイと感じる人も実際にいます。上手に味方になる人を見つけ、難しい人にはうまくいなせる方法を見つけましょう。

 

6.疑問解消

あやふやな点や不安な点があったら、決して自分で良し悪しを判断せず分かる人に質問し、正しい内容を確認していくことが重要です。

 

7.チームワーク

現場のメンバーと協力しながら業務の達成を目指すようにします。

 

これらのポイントを意識し、積極的な姿勢で業務に取り組むことで、未経験でも医薬品ピッキングの仕事ができるようになります。

 

 

医薬品ピッキングの今後の需要

成長市場

人生100年時代が到来したと言われる日本。高齢化社会の進行と医療技術の発展により平均寿命が伸び続け、その分、医薬品の需要は増え続けています。

医薬品の需要は、人が生きている限りなくなるものではないので、医薬品市場は景気に左右されずに今後も成長が期待できる数少ない成長市場。医療従事者不足の問題もあって、医療系の資格や経験がなくても挑戦できる医薬品ピッキングの需要は今後も見込めます。

機械化やAIによる自動化が進むことで人材が不要となる仕事があるとも言われる中、この仕事は人材が必要とされる仕事になるでしょう。

 

 

まとめ

意味あるキャリア 

重量物がさほどなく、清潔な環境で働きやすいこの仕事は、労働者にとっても魅力ある仕事の一つでもあります。

一つ一つの医薬品を正しく扱うこの仕事は、たくさんの人の健康を守る事になる社会貢献性の高い仕事。この仕事に挑戦して、自分自身の成長と同時に社会に貢献する喜びを感じてみませんか?

医薬品ピッキングは、やりがいのある、意味あるキャリアの一つと言えます。

 

 

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